図書や雑誌を図書館で借りる場合、それらを購入する場合、あるいはレポートや論文を執筆する際に引用した文献を紹介するにあたり必要な情報を解説する。
図書や雑誌を図書館で借りる場合、それらを購入する場合、あるいはレポートや論文を執筆する際に引用した文献を紹介するにあたり必要な情報を解説する。特に論文を執筆する際に、引用文献の出版年等を欠落せしめる執筆者が散見されるが、かような場合、紹介するものが単行書であるなら、下記の書誌情報のうちISBNを除くすべてを掲載したい。また紹介するものが雑誌記事の場合には、下記の記事情報のうちISSNを除くすべてを掲載したい。
ある図書にたどり着くために必要な諸情報を書誌情報と言う。
「たどり着く」という表記を用いたのは、当該図書を買う場合のみならず、閲覧請求する場合を含めるためである。
以下には、ある図書を図書館で借りるため、あるいは書店で買うために必要な最低限の諸情報を列挙する。
本を検索した場合、以下の諸情報は必ず記録しておくこと。
・題名
・著者名
・出版社
・出版年
・請求番号
・ISBN
出版年について
同じ図書でも出版年によっては改版が行われ、内容の体裁が若干変更になる場合がある。従って、例えばAという図書の2000年出版第一刷の100頁の19行目をレポートに引用したとする。しかし同引用箇所は2005年の第二刷では101頁の1行目に移動してしまった、という場合がある。
従って、ある図書の一部を引用する場合には、必ず何年出版のものを用いたかを表記しなければならない。この点を決して忘れないように。
ISBNについて
ISBN(International Standard Book Number:国際標準図書番号)は、その図書に付与された世界共通のID番号である。
これがわかっていれば、図書館で検索する際も、この番号のみで検索できる。日本では有限責任中間法人日本図書コードセンターが管理している。
全世界のISBN国内センターは、毎年1回ロンドンの国際ISBN機関に、その年に新たに付与したデータを送ることが義務付けられている。
従って外国で出版された図書でも、この番号を書店に知らせるだけで注文ができてしまう便利な番号である。
2007年1月1日より、従来の10ケタのISBNが無効となり、新たに13ケタに改訂された。
例えば「ISBN= 978-4-999999-99-9」
最初の「978」は流通コードの国際標準であるEANコードを表す(当面この部分は世界共通で978)。
次の「4」は国番号(4=日本)、「999999」の部分は出版者記号、「99」の部分は当該出版者の書名記号、最後の「9」の部分はチェックデジットという構成になる。
ある雑誌(逐次刊行物)に掲載された特定の記事にたどり着くために必要な情報である。
以下には、ある雑誌記事を図書館で借り出すため、あるいは書店でその雑誌を買うために必要な最低限の諸情報を列挙する。雑誌記事を検索した場合、以下の諸情報は必ず記録しておくこと。
・記事題名(論題)
・著者名
・掲載誌名
・出版社
・出版年
・巻号
・請求番号
・ISSN
巻号について
雑誌の特定の号に掲載されている記事を入手するのであるから、当該巻号を知っておかなければ入手は不可能になる。
通巻何号というように創刊以来の通し番号で記載されているものと、何巻何号(「*−*」、通常は例えば1997年創刊の雑誌の2006年の3号目という意味で「10巻3号」とされることが多い)と記載されているもの等がある。
従って、ある雑誌記事を引用する場合には、必ず雑誌名のみならず巻号を表記しなければならない。この点を決して忘れないように。
ISSNについて
ISSN(International Standard Serial Number:国際標準逐次刊行物番号)は、ISBNと同様に、その雑誌(逐次刊行物)に付与された世界共通のID番号である。
各国のISSN を管理するネットワークの中核として、パリ国際センターをデータ・バンクが存在し、各センターと連携してつくられる逐次刊行物に関する情報交換を行っている。
日本でISSNネットワークセンターとして国内のISSNを管理しているのは国立国会図書館内のISSN日本センターである。
ISSNがわかっていれば、図書館等で検索する際も、この番号のみで検索できる。また外国で出版された雑誌でも、この番号を書店に知らせるだけで注文ができてしまう便利な番号である。